免税事業者は消費税を請求してもいいのか、インボイス制度でどのような行動が取れるのか2019年02月05日
消費税の免税事業者は消費税を請求してもいいの?免税事業者は平成35年10月1日以降の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)でどんな行動がとれるの?
という2点をがんばってできるだけわかりやすく説明してみるね。
おはようございます、こんにちは、こんばんは。最近利用者さんに「話し方に抜け感ありますねー」と言われたかさいーだよ。抜け感ってほめ言葉なのかなと思いつつ。大事なことは抜けないように今日も進めていくよ。
それがなぜかは下の図をみてね。簡単の為消費税10%の世界線で説明していく。

このように免税事業者さんは消費税納税の大きな流れから抜け出せてはいないのだよ。
それはそう、事業者免税点制度の趣旨は・・・「小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から設けられている特例措置」、つまり、免税事業者さんが仕入れで支払った消費税を請求するに何の問題もないわけだ。
実際は上図の黄色い部分だけが免税部分であって、この黄色い部分がいわゆる”益税”になるわけ。
内訳としては付加価値と利益で、付加価値と利益にかかる消費税だけが免除されているというわけだね。
免税事業者さんの事務負担を考えて現在は納税事業者さんと同じように計算できる。
だから免税事業者に対しても今回の特措法で、免税を理由に2%分安く請求する買いたたきを禁じている。
ちゃんと免税事業者さんも10%で請求できるわけ。
ここで勝手に言っているわけではないことを証明するために、公正取引委員会が紹介している違反事例を紹介しておくね。
これで一つ目の疑問の消費税の免税事業者さんは消費税を請求してもよいかという疑問が解けたと思う。
インボイス制度のもとでは免税事業者さんに受け渡した消費税は認められない。
だけど、免税事業者さんも製造業者に消費税を渡すために請求しなければやってけない。
下の図を見てもらえる?消費者の買値が同じだとすると…

免税事業者さんは上流に支払っているのにインボイス制度のもとでは消費税が請求できなくなるため、7,000円は非税部分となる。
つまり、税額として請求すべき税額は小売業者の本体価格に吸収されてしまう。
するとあらら、小売業者の利益が減っちゃったね。
そして、図の左側における国への納付税額が5000円増えた。
つまりこれは実は増税?
税額が結果的に増えてしまう理由は、インボイス制度のもとでは免税事業者さんの立場が、消費者と同じになり単純に消費税を払う人が増えるということにあるんだね。
「消費税は免除するけれど、仕入の消費税は払ってね。」ということ。
まぁとにかく、小売業者は7,000の利益減少は受け入れられない。
「70,000で販売してよ、でなきゃ他の課税事業者から買うわ」となる。
でそれを受け入れた70,000を図示すると以下。

利益が5,000円減少し、益税2,000円もなくなっているのがわかると思う。
さらにケーススタディしてみようか。上記の公正取引委員会の事例をもとにするね。
【スポーツクラブのケース】
スポーツクラブがあってスタジオプログラムを設けているとする。
そして、専属のインストラクターに年間600万円外注しているとする。
これは課税仕入れになるので、消費税の内税がおよそ45万円あることになるけれど、
専属のインストラクターが免税事業者さんなら納税額から45万円差し引けない!
つまり、スポーツクラブが年間45万円損をするということだね。
で、上の例と同じ。「555万に報酬を下げないと、他の課税事業者と契約するよ。」
すると小規模な事業者であるはずの免税事業者さんが泣くことになる。というお話。
結構消費税対策で従業員をとらず、外注業者に依頼しているケースはよくあるんだけど、外注先が免税事業者さんになると消費税対策でもなんでもなくなる。
では、どうすればいいのかだよね。消費税分の値下げが避けられないなら?
免税事業者さんは進んで課税事業者になることを選択し、仕入税額控除をできるようにして、消費税を持ち出ししなくてもよいようになるしかない。

これだと利益減少額はなく、いわゆる”益税”の部分2000円がなくなるだけ。
実はすでにインボイス制度が行われているEU諸国では免税事業者さんは、取引から排除される可能性を考えて、進んで課税事業者になることを選択することが多い。
でも今回は制度の変更によるものだから、上のインストラクターの例でいうと、課税事業者を選択したところで、取引は継続されたとしても45万円の納付税額が発生する。
もちろん仕入税額控除はできるけど、仕入の必然性が少ないインストラクターでは、突然の大きな収入の減少になるのは間違いない。
まとめると、免税事業者さんがインボイス制度でどんな行動がとれるのかは、
①取引から排除されないために、課税事業者になるしかない。
②”益税“がなくなるので収入減。単価を上げるなどの対策が必要。
ということになるね。
今回はちょっと難解だったかも、説明のおかわりは箕面商工会議所まで。
という2点をがんばってできるだけわかりやすく説明してみるね。
おはようございます、こんにちは、こんばんは。最近利用者さんに「話し方に抜け感ありますねー」と言われたかさいーだよ。抜け感ってほめ言葉なのかなと思いつつ。大事なことは抜けないように今日も進めていくよ。
免税事業者は消費税を請求できるのか
まず、免税事業者さんは消費税を請求できるのかだけれど、結論から言うと「できる」。それがなぜかは下の図をみてね。簡単の為消費税10%の世界線で説明していく。

このように免税事業者さんは消費税納税の大きな流れから抜け出せてはいないのだよ。
それはそう、事業者免税点制度の趣旨は・・・「小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から設けられている特例措置」、つまり、免税事業者さんが仕入れで支払った消費税を請求するに何の問題もないわけだ。
実際は上図の黄色い部分だけが免税部分であって、この黄色い部分がいわゆる”益税”になるわけ。
内訳としては付加価値と利益で、付加価値と利益にかかる消費税だけが免除されているというわけだね。
免税事業者さんの事務負担を考えて現在は納税事業者さんと同じように計算できる。
だから免税事業者に対しても今回の特措法で、免税を理由に2%分安く請求する買いたたきを禁じている。
ちゃんと免税事業者さんも10%で請求できるわけ。
ここで勝手に言っているわけではないことを証明するために、公正取引委員会が紹介している違反事例を紹介しておくね。
スポーツクラブの運営業者(買手)は、施設の利用者に対するスポーツ指導を委託しているというスポーツクラブの事例に対して、
事業者のうち、個人事業者等の消費税の免税事業者(売手)に対し、消費税率の引上げ後も、消費税率の引上げ分を上乗せせず、消費税率の引上げ前の対価と同額を支払った。
消費税の免税事業者であっても、特定供給事業者に該当しますので、消費税の免税事業者に対しても消費税の転嫁拒否等の行為を行ってはなりません。上記の通り違反であると明記しているんだよ。
公正取引委員会が2015年3月に発行した「消費税の転嫁拒否に関する主な違反事例」より引用
https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu_files/ihanjireipamphlet.pdf
これで一つ目の疑問の消費税の免税事業者さんは消費税を請求してもよいかという疑問が解けたと思う。
免税事業者はインボイス制度でどんな行動がとれるのか
2番目の疑問インボイス制度でどんな行動がとれるのかを説明しようか。インボイス制度のもとでは免税事業者さんに受け渡した消費税は認められない。
だけど、免税事業者さんも製造業者に消費税を渡すために請求しなければやってけない。
下の図を見てもらえる?消費者の買値が同じだとすると…

免税事業者さんは上流に支払っているのにインボイス制度のもとでは消費税が請求できなくなるため、7,000円は非税部分となる。
つまり、税額として請求すべき税額は小売業者の本体価格に吸収されてしまう。
するとあらら、小売業者の利益が減っちゃったね。
そして、図の左側における国への納付税額が5000円増えた。
つまりこれは実は増税?
税額が結果的に増えてしまう理由は、インボイス制度のもとでは免税事業者さんの立場が、消費者と同じになり単純に消費税を払う人が増えるということにあるんだね。
「消費税は免除するけれど、仕入の消費税は払ってね。」ということ。
まぁとにかく、小売業者は7,000の利益減少は受け入れられない。
「70,000で販売してよ、でなきゃ他の課税事業者から買うわ」となる。
でそれを受け入れた70,000を図示すると以下。

利益が5,000円減少し、益税2,000円もなくなっているのがわかると思う。
さらにケーススタディしてみようか。上記の公正取引委員会の事例をもとにするね。
【スポーツクラブのケース】
スポーツクラブがあってスタジオプログラムを設けているとする。
そして、専属のインストラクターに年間600万円外注しているとする。
これは課税仕入れになるので、消費税の内税がおよそ45万円あることになるけれど、
専属のインストラクターが免税事業者さんなら納税額から45万円差し引けない!
つまり、スポーツクラブが年間45万円損をするということだね。
で、上の例と同じ。「555万に報酬を下げないと、他の課税事業者と契約するよ。」
すると小規模な事業者であるはずの免税事業者さんが泣くことになる。というお話。
結構消費税対策で従業員をとらず、外注業者に依頼しているケースはよくあるんだけど、外注先が免税事業者さんになると消費税対策でもなんでもなくなる。
では、どうすればいいのかだよね。消費税分の値下げが避けられないなら?
免税事業者さんは進んで課税事業者になることを選択し、仕入税額控除をできるようにして、消費税を持ち出ししなくてもよいようになるしかない。

これだと利益減少額はなく、いわゆる”益税”の部分2000円がなくなるだけ。
実はすでにインボイス制度が行われているEU諸国では免税事業者さんは、取引から排除される可能性を考えて、進んで課税事業者になることを選択することが多い。
でも今回は制度の変更によるものだから、上のインストラクターの例でいうと、課税事業者を選択したところで、取引は継続されたとしても45万円の納付税額が発生する。
もちろん仕入税額控除はできるけど、仕入の必然性が少ないインストラクターでは、突然の大きな収入の減少になるのは間違いない。
まとめると、免税事業者さんがインボイス制度でどんな行動がとれるのかは、
①取引から排除されないために、課税事業者になるしかない。
②”益税“がなくなるので収入減。単価を上げるなどの対策が必要。
ということになるね。
今回はちょっと難解だったかも、説明のおかわりは箕面商工会議所まで。