価格だけを変えるのではなく、「価値の伝え方」を変えてみませんか?
原材料費や光熱費の高騰が続く中、価格改定はもはや避けて通れないテーマです。特に食材は月単位で値上がりし、そのスピードに販売価格の見直しが追いつかないという声も少なくありません。しかし、単に値上げするだけでは、お客様の理解を得るのは難しいのが現実です。よく見かけるのが、既存メニューの上にテープで新価格を貼る方法。しかしこれは、「この店、値上げしたんだ」とストレートに伝わってしまい、新規客にも悪印象を与えるリスクがあります。そこでおすすめしたいのが、「価格を上げる」のではなく「価値を提案し直す」という視点です。たとえば、飲食店ならメニューを一新し、ネーミングや説明文、写真を工夫することで、見た目の新鮮さとともに“新しい体験”として提供できます。
もちろん、ただ値上げするだけではなく、お客様が納得できる工夫も必要です。値段を上げる代わりに、プチデザートを添えたり、セット内容を少しグレードアップするなどのプラスアルファを加えると、満足感を維持しやすくなります。とはいえ、「量を減らして飲みやすくしました」といった、実質値上げを誤魔化すような表現は避けたいところ。誠実さに欠ける対応は、かえって顧客離れを招きかねません。そうではなく、「小・並・大」のようにサイズを選べるメニューにし、並サイズで少し価格を上げ、大サイズで従来のボリュームを維持するといった、選択肢を持たせた方が、納得感も高まります。
常連客への説明も大切です。口頭での一言や、手書きの案内、次回来店時に使える割引券などのフォローで、「ちゃんと考えてくれている」と感じてもらえれば、信頼につながります。値上げは、ただの価格調整ではなく、自社の価値を再定義するチャンスでもあります。お客様との関係を大切にしながら、上手な伝え方と工夫で、納得のいく価格改定を進めていきましょう。
箕面商工会議所では、価格改定や販売戦略に関する相談も対応しております。